化学工学論文集
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スズアルコキシドのゾル-ゲルプロセスの解析
松本 太輝村上 泰矢彦沢 清允高須 芳雄
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1995 年 21 巻 6 号 p. 1047-1053

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抄録

テトラ-n-ブトキシスズブタノール溶液のゾル-ゲルプロセスを, 溶液粘度の測定によって解析した.
溶液はそのままでは沈殿を生成してしまい, 粘度は増大しないが, ジエチレングリコールを添加した場合, 沈殿は生成せず, 溶液は増粘した. 固有粘度の経時変化は誘導期を持ち, 誘導期の長さと誘導期直後の粘度変化の傾きは, 水の濃度に大きく依存するが, ジエチレングリコール濃度には依存しなかった.
固有粘度測定の結果から, ゾル-ゲルプロセスの反応モデルを提案し, 平均重合度の経時変化のモンテカルロシミュレーションを行った.この反応は加水分解と重縮合の繰り返しからなり, これに加水分解逆反応と分子サイズ効果の補正を加え, モデルとした. これらの補正を加えたシミュレーションの結果は, 固有粘度の実際の挙動をよく反映していた.

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