化学工学論文集
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プロトン交換ゼオライトによるクロロトルエン類の反応の選択性に及ぼす活性劣化の影響
高橋 武重小玉 卓也甲斐 敬美
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1995 年 21 巻 6 号 p. 1127-1132

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抄録

常圧固定層流通式反応器を使用して, p-クロロトルエン (PCT) の反応をHY, Hモルデナイト及びHZSM-5ゼオライトを用いて行った. HY を使用すると, クロロベンゼン (CB) が主として生成し, HZSM-5では反応の初期段階でm-クロロトルエン (MCT) が主成分であった.そして, Hモルデナイトを使用するとその中間的な挙動を示した.HYとHZSM-5による反応の選択性の差は, 主として副反応によって生成するコークとともに遊離する水素量に依存すると考えられた.また, HZSM-5では, コーク生成量が小さいにもかかわらず, 反応時間の経過とともにPCTの反応率及びMCTの選択率が小さくなり, この原因がコークによる細孔径の減少にあることがο-クロロトルエンの反応の結果から支持された.
反応終了後の触媒の表面積測定, 酸強度分布の測定から, HYではコークによる表面積の低下が見られたが, HZSM-5では大きな変化がなかった.触媒の活性はプロセス時間に対して指数関数的に減少し, HZSM-5では反応温度の上昇とともに減少する傾向が見られた.

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