1995 年 21 巻 6 号 p. 1133-1139
希土類金属イオン交換Y型 (REY) ゼオライトによる廃プラスチック熱分解油の接触分解反応のコーク付着にともなう活性劣化を表すモデル式を提出した.コーク付着によって触媒の酸点が被覆されるとともに, 付着したコーク粒子によりゼオライト結晶内の拡散速度が低下し, その結果, 触媒活性は低下する.コーク付着した触媒の強酸点量と拡散係数を実測し, 両者のコーク付着量への依存性を表す実験式を求めた.これら関係式を用いて接触分解反応の活性と反応生成物の収率の経時変化を表すモデル式を提出した.本モデルによる予測値は実験結果をよく表現した.また, 本モデルによる触媒活性の長期予測を行ったところ, 拡散抵抗が存在する粒径の大きい触媒を用いた方が触媒活性を長期に維持できることが分かった.