化学工学論文集
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D.S.M.C. 法による乱流流動層中の気流と粒子の運動の数値シミュレーション
湯 晋一野原 浩樹二井 大祐梅景 俊彦
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1997 年 23 巻 6 号 p. 811-819

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抄録

粒子には標本粒子を取り扱うことによって多数の粒子を統計的に処理できる Direct Simulation of Monte Carlo Methodを適用することにより微小粒子 (310μm) からなる3次元乱流流動層の数値シミュレーションを行った.粒子衝突にはhard sphereモデルを用い, 局所平均化されたNavier-Stokes式と並進, 回転, 衝突, 抗力, 揚力を考慮したLagrangian形の運動方程式を基礎とし, これらの式を全て連立して解くことにより3次元乱流流動層中の気流と粒子の運動を求めた.また同一条件で行った実験の結果と比較することにより, 計算モデルの正しさを検討した.その結果, 次のような事柄が明らかになった.D.S.M.C.法によって微小粒子からなる乱流流動層中の粒子と気流の運動を正確に求めることができる.すなわち, 濃厚粒子群からなるクラスターの形成, それらの形状, 成長と崩壊等を表現することが可能である.乱流流動層のように粒子と気流が激しく相互干渉すると, 如何に相互の乱流状態が高められるかを定量的に表すことができた.

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