化学工学論文集
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流動層CVD法による多結晶シリコン粒子製造におけるモノシラン転化率, 微粉生成率に関するシミュレーション解析
英 敬信上宮 成之小島 紀徳
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1997 年 23 巻 6 号 p. 828-834

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抄録

モノシランを原料とした流動層CVD法による多結晶シリコン粒子製造のシミュレーションを行った.国井-Levenspielの二相モデルにモノシラン熱分解速度式を組み合わせたモデルにより, モノシランの転化率, 微粉への転化率 (微粉生成率) および気泡部の温度分布を計算した.さらに微粉の取り込み (スキャベンジング), 生成微粉への析出および層内温度分布の存在が, 両転化率 (モノシラン転化率と微粉への転化率) に対して与える影響を評価した.両転化率についてHsuらの実験結果と計算結果を比較した.
微粉上への析出を考慮した場合には, 従来の計算結果よりも両転化率の値が大きくなった.一方, スキャベンジングや層内温度分布を考慮すると, 両転化率とも小さくなる.これらを考慮した上で実験結果を説明するためには, 微粉上への析出を考慮する必要がある.また, 温度の上昇と共に粒子付着性が増大し, スキャベンジングが起こりやすくなる, または二次粒子径が増大するとすれば, 温度に対する依存性も定性的に説明できることが指摘された.

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