1997 年 23 巻 6 号 p. 844-849
2次元および3次元形状の波状壁面上の乱流場に3次元直接数値シミュレーションを適用し, 壁面に働く抗力を評価した.その結果, 壁面に働く全抗力への摩擦抗力と圧力抗力の寄与については, 2次元波状壁面の場合には摩擦抗力と圧力抗力の比率にして0.86と圧力抗力の寄与が大きくなるが, 3次元波状壁面の場合には2.9と摩擦抗力の寄与が圧倒的に大きくなることがわかった.また, 風波気液界面などの波状境界面上での摩擦速度を実験的に評価する従来の方法の妥当性について検討した結果, 対数速度式を用いる方法もレイノルズ応力のピーク値から評価する方法も2次元形状の波状界面に対しては摩擦速度を10%程度過大評価するが, 3次元形状の波状界面に対しては正確な値を与えることが明らかとなった.