化学工学論文集
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Re数円形自由噴流の直接数値計算と実測値による検証
中島 賢治湯 晋一
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1997 年 23 巻 6 号 p. 870-877

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抄録

Navier-Stokes式の慣性項に5次の風上差分法, 速度の時間前進計算に2次のRunge-Kutta法を用いて, 円形ノズルから噴出するRe=1,200の空気自由噴流について, 初期領域から乱流発達領域を含んだ流れ場の直接数値計算を行った.計算領域はノズル出口から乱流発達領域までである.計算セルの大きさは乱流発達領域におけるKolmogorovのミクロスケール以下に抑えており, 乱流中に存在する微細渦までを再現できていると考えられる.計算結果と実験結果は種々の乱流統計量について比較された.主な乱流統計量は計算結果と実測結果がほぼ一致し, 高Re数噴流と低Re数噴流の乱流統計量分布の違いを明らかにすることができた.また, エネルギースペクトル分布についても計算結果と実験結果は高周波部分までよく一致し, 計算結果の正当性を示すことができた.計算結果の等渦度線表示では, 低Re数噴流に顕著に見られる放射状かつ局所的に突出する渦を再現することができた.本研究により, 直接数値計算は大規模渦から微小渦までを含む複雑な流れ場を形成する低Re数噴流をよく表現できることを示した.

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