化学工学論文集
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壁面に衝突した液滴の伝熱現象の数値解析
深井 潤椎葉 祐二田中 充宮武 修
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1997 年 23 巻 6 号 p. 878-884

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抄録

平板に衝突した液滴の流動・伝熱モデルを開発した.流動モデルには液滴の変形が考慮され, 伝熱モデルには液滴と平板内の伝熱が考慮されている.モデルを有限要素法を用いて数値的に解いた.
溶融すず滴が種々の平板に衝突する場合について計算を行った結果, 以下のことが明らかとなった.
1) 平板上を広がる液滴の周辺部は中央部より早く冷却される.
2) 液滴と平板の初期温度および熱物性値が固液界面温度に及ぼす影響は, 温度の異なる2枚の半無限固体を接触させた時の解析解を用いて評価できる.
3) 液滴-平板間の熱伝達は, 平板内部の伝導伝熱に支配される.
4) 衝突速度の増加は液滴-平板間の熱伝達量を増加させる.これには, 対流伝熱量の増加より伝熱面の拡大が大きく寄与している.

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