1997 年 23 巻 6 号 p. 885-891
高性能サイクロン設計の指針となる情報を得るため, 直接法を用いた3次元シミュレーションでサイクロン内の流れ及び粒子軌跡の計算を行い, 実験結果と比較検討した.
ブローダウンを行わない場合と比べ, ブローダウンを行うと, 全捕集効率は上昇する.これは, 主にサイクロン下部円錐壁近傍での流量の増加及び旋回成分の成長に起因することがシミュレーションの結果から明らかとなった.
粒子軌跡の3次元シミュレーションより, ブローダウンの有無に関わらず, サイクロン入口下部から流入する粒子ほど捕集されやすいことが認められた.
また, 計算した部分分離効率と実験値を比較した結果, ブローダウンを行うとブローダウンを行わない場合と比較して, 粒子のサイクロン壁面近傍での再飛散を軽減できることが確認された.