化学工学論文集
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コークス炉ガス中の二硫化炭素の低温吸着剤の開発
吉川 文明中島 晋白石 典久
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1997 年 23 巻 6 号 p. 892-898

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抄録

コークス炉ガスを化学原料や都市ガス原料として利用するためには硫黄化合物等の不純物を除去する必要がある.硫黄化合物のひとつ, 二硫化炭素 (CS2) を低温で除去可能な新しい吸着剤を提案した.けい酸カルシウムにジエタノールアミンを含浸した吸着剤で40~50℃の低温において高いCS2除去性能を示した.多量の炭化水素やCO2が含まれるコ一クス炉ガス中においても, 45℃, 空間速度99h-1で280日間CS2を100%吸着除去した.本吸着剤と既報のK2CO3含浸アルミナ触媒を用いて, 45℃, 常圧でコークス炉ガス中の有機硫黄化合物のほとんどを占めるCS2と硫化カルボニルを300日間に渡ってそれぞれ96%, 76%以上除去できた.

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