1998 年 24 巻 3 号 p. 402-406
エチレングリコールから脱水素反応・グリコールアルデヒド・Strecker反応を経るセリンプロセスの中で重要なセリンのNa塩 (SerNa) とエチレングリコール (EG) の分離を, 擬似移動層を用いて検討した.強酸型イオン交換樹脂のNa置換型を吸着剤とした4ゾーン型擬似移動層の作動により, EGとSerNaが比較的高濃度で分離されることが判明した.使用した擬似移動層はRaffinate 2を設けた4ゾーン型であり, このタイプにつき, 吸脱着速度及び移動速度に関する定常状態近似の式の誘導により実際の分離性がシミュレートされた.4ゾーン型での分離の必要条件としてβ値の不等式が提出されているが, その条件は本Raffinate 2タイプの4ゾーン型にも概ね適用が可能であった.