化学工学論文集
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鉄多孔体製脱臭フィルターのメチルメルカプタン除去性能と除去機構
野田 多美夫
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1998 年 24 巻 3 号 p. 413-417

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抄録

鉄化合物によるメチルメルカプタンの除去容量と除去機構について研究し, 鉄化合物のみではメチルメルカプタンの除去は起こらず, 硫黄の共存が必要であることを見出した.これは, メチルメルカプタンとαオキシ水酸化鉄の化学反応によって, CH3SとHとに分解し, 更にCH3Sは硫黄と化学結合して除去され, Hは酸化して水になることによって起こることを検証した.続いて, その知見を応用し, 鉄多孔体にLアスコルビン酸, 硫酸第一鉄, 水酸化カルシウムの混合水溶液を添着してオキシ水酸化鉄を生成させ, 更にそれを硫化水素と反応させて脱臭フィルターを製作した.そのメチルメルカプタン除去性能を活性炭と比較した結果, (1) 鉄多孔体製脱臭フィルターのメチルメルカプタン除去容量は活性炭のそれより小さい.また, (2) 鉄多孔体製脱臭フィルターでは, ジメチルジスルフィドは除去できない.ことが明らかになった.

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