1998 年 24 巻 3 号 p. 476-480
灯油炊き多孔質セラミックスバーナーはターンダウン比が高い特長を有するが, 高負荷燃焼時にNOxが比較的高濃度で排出される問題があった.本研究では, この点を改善するために空気の二段供給を行い, 灯油燃焼特性とNOx排出特性に及ぼす影響について実験的検討を行った.
本実験の条件では, 希薄可燃限界は当量比0.2付近にあり, 燃焼負荷が2.0kWから少なくとも11.5kWにおいて安定に燃焼することから, ターンダウン比は5.8以上となることが分かった.全空気量に対する一次空気量の割合は, 炉内温度分布ばかりでなく, すすの形成, 炉出口におけるCOおよびNOx濃度に大きく影響を与えることから, 本バーナーにおける重要な操作要因となる.空気を二段階に吹き込み, 全空気量に対する一次空気量の割合を最適化することによって, NOx排出濃度は単段燃焼に比べ約1/4に抑制された.