化学工学論文集
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液相中における粒子生成に及ぼす溶液粘度の影響
野村 俊之向阪 保雄田中 健
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1998 年 24 巻 4 号 p. 642-645

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抄録

前報 (向阪, 野村 : 化学工学論文集, 23,666-672 (1997)) において, 均一核生成によって生成される粒子個数濃度n*は臨界モノマー濃度C*において (モノマーの生成速度G*) = (核への拡散によるモノマーの消費速度) の関係を満足するように生成されると考えた均一核生成の工学的モデルを提案し, 粒子分散系でよく用いられるセルモデルを用いた核まわりへの非定常拡散の解を用いて解析を行い, 次の関係が導出されている : G* =4πr*DC*n*.ここで, Dはモノマーの拡散係数, r*は臨界核半径である.その中に含まれる因子の一つであるモノマーの拡散係数に着目して, モデルの妥当性を検討した.すなわち, 溶液に増粘剤を添加することによりその粘度を変えてモノマーの拡散係数を変化させて, 液相還元法による銀微粒子の生成実験を行った.その結果, モノマーの拡散係数と生成粒子個数濃度は反比例し, それに伴い生成粒子の粒子径も変化することが実験的に明らかになり, 定量的に筆者らのモデルの妥当性を確かめることができた.

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