化学工学論文集
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アセトアルデヒド用吸着剤の開発に関する研究
野田 多美夫鈴木 基之
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1998 年 24 巻 4 号 p. 646-652

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抄録

アミノ基とアルデヒド基との化学反応性に着目してアセトアルデヒド用の吸着剤を開発する研究を行った.硫酸アルミニウム・ヒドラジン複塩を, シリカゲルや活性白土に添着することにより, ヒドラジンの活性と大気中での化学的な安定性を両立させ得ることを見出し, アセトアルデヒド用吸着剤の製造方法を開発した.本方法で製造した吸着剤へのアセトアルデヒド吸着の機構は, ヒドラジンとアセトアルデヒドとの化学反応によるアセトアルダジンの生成によるものと推定し, 水溶液で反応させて得た物質を熱分解-GC/MS法により解析して, その生成を検証した.また, 吸着が化学吸着が主体であるため, 0.1ppm以下の低濃度での吸着容量は1.36mol/kgにもなる.本方法で製造した吸着剤を半年間大気中に放置した後も, 添着したヒドラジンの残留量は製造直後とほとんど変化せず, 吸着性能を維持している.

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