化学工学論文集
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吸着による低濃度NOの濃縮に関する実験的検討
渡辺 藤雄植木 智也加藤 大策松田 仁樹架谷 昌信塩見 仁郎丸茂 千郷
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1999 年 25 巻 6 号 p. 961-965

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抄録

NOx濃度1ppm以下の大気排出を目標とする低濃度NOxの吸着濃縮とこの濃縮NOxの脱硝プロセスを組み合わせたNOxミニマムエミッションシステムを提案し, その中心技術となる濃度0.5~20ppmのNO吸着濃縮の実験的検討を行った.各種の吸着材による常温吸着・353K脱着の破過実験結果は, フェノール樹脂を原料とする活性炭に優れた吸着性能が備わっておりこの利用によってNOのほぼ無排出が可能になること, その吸着量の最大は初濃度15ppm, O2同伴条件下で2.5×10-3m3・kg-1に達すること, 吸着後の353Kでの脱着により初濃度の最大5倍のNOが得られること, を示し, この吸着濃縮に温度スイング吸着法が適用可能であることがわかった.CO2の存在は吸着性能に影響を及ぼさないが, 水蒸気の存在はNO吸着の大きな阻害因子となることがわかり, 実操作でのこの前除去が必要となることが指摘される.

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