1999 年 25 巻 6 号 p. 966-972
より効率的なガス化を行うため, 円錐型ガス分散器を備えた多孔質アルミナ流動層を用いてポリエチレン粒子 (HDPE) の部分燃焼ガス化を行い, 熱分解成績, 操作条件について検討した.ガス化過程を明らかにするため流動化状態の観察を行い, またアルミナ粒子に保持される炭素質物質の性状を調べるため連続ガス化操作中に反応管内部よりアルミナ粒子を採取し, SEM観察, 質量分析等を行った.
空気比0.2~0.3, 層高/塔径1.0~1.5の条件下で, 円錐型ガス分散器使用時の生成ガスは前報の多孔板型よりもC3-5の成分が大幅に増加し, 低位発熱量は2~3MJ/Nm3高かった.炭素質物質の粒子内保持量は層内の各粒子によって異なり, 多孔板型の20~30%と少なかった.その付着物質は分子量300~1,000と幅があり, 多孔板型使用時と比べて重質な成分であった.