2000 年 26 巻 1 号 p. 108-111
二酸化マンガン粉末を固定化したポリ塩化ビニル膜を溶存酸素センサーの先端に取付け過酸化水素センサーを構成した. 比較のために, カタラーゼ固定化膜または固定化粒子を用いて同様にセンサーを構成した.
所定の温度と容量の蒸留水にセンサーを浸し, 所定濃度と容量の過酸化水素水溶液を添加し, これらのセンサーの濃度応答特性および安定性について比較した.
得られた結果はつぎのようである. 1) MnO2膜がH2O2センサーの分子認識膜として利用できることがわかった. 2) これらのセンサーの定常応答値はH2O2濃度に比例した. 3) MnO2膜を用いたセンサー応答速度はカタラーゼ固定化膜を用いたセンサーとほぼ同じであった. 4) センサーは, 不使用時には室温の蒸留水中で保存した. MnO2膜を用いたセンサーは3カ月間以上安定であった.