粒度分布が鋭く, 形状の異なる人工多結晶ダイヤモンドを用いて研磨試験を行い, 粒子形状の研磨特性に及ぼす効果について検討した. 粒子形状は輪郭に沿ったx, yそれぞれの座標のフーリエ級数展開法により解析し, 第1次フーリエ記述子による近似楕円に基づく短長軸比と高次フーリエ記述子による非対称性, 多角性, および輪郭座標の局所勾配に基づく尖り度の形状指標値で定量化した. 研磨特性としては, 被研磨材の単位時間あたりの厚さ減少割合である研磨速度と研磨面粗さを用いた. その結果, 粒子形状は非対称性が小さく, 多角性, 楕円軸比, および尖り度が高い程, 研磨速度が大きくなる実験式が得られ, 研磨面粗さにあまり影響しないで研磨速度を調節できる砥粒の調製が可能になった.