化学工学論文集
Online ISSN : 1349-9203
Print ISSN : 0386-216X
ISSN-L : 0386-216X
応力異方性を考慮した粉体圧縮成形体内応力分布の推算
下坂 厚子林 浩二白川 善幸日高 重助
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 26 巻 1 号 p. 23-30

詳細
抄録

セラミック粉体の最適な圧縮成形条件を予測するために, 有限要素法による圧縮過程中の粉体層の応力解析を行った. 実際問題への適用を考え, 粉体層は圧縮性の弾塑性体と近似し, その構成関係はHillの異方性パラメータを考慮したDruker-pragerの降伏条件式から導いた. また, 粉体層は圧縮過程中不連続な崩壊挙動によってかさ密度および分布を大きく変化させるため, その力学諸特性も変形に伴って刻々変化する値として扱う必要がある. ヤング率およびひずみ硬化率は三軸圧縮試験にもとづいて最小主応力と歪みの関数として表し, 異方性パラメータは粒子要素法による圧縮シミュレーションより数値的に求めた. 本手法による圧縮過程中の応力解析結果は非線形な応力-ひずみ曲線および粉体層内の応力分布において実験結果とよく一致した. また, 単独に任意の値を変化させた推算より, 各特性値が応力分布に及ぼす影響の詳細な検討が可能となった.

著者関連情報
© (社)化学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top