2000 年 26 巻 1 号 p. 50-55
2段階乳化法により調製したW/O/Wエマルションの液中乾燥によりポリ乳酸を壁物質としたマイクロカプセルへのアルブミンの内包を行なった. 1次乳化の調製条件, 内水相および外水相の添加物質濃度の内包率及びカプセル形状におよぼす影響を検討した. 内水相の体積分率および添加物質濃度の増加により, アルブミンの内包率は低下した. 内水相液滴の超音波処理による微細化と外水相への添加物質の濃度増加により, 内包率は増加した. 内水相と外水相の浸透圧差による外水相から内水相への水の透過は, 内水相の膨潤, 合一とカプセル壁の厚みを減少させ, 内水相の漏出が起こりやすくなり, 内包率を大きく低下させることが明かとなった. これらの因子を考慮して内水相液滴の安定性を高めることにより, 内水相に溶解したアルブミンをほぼ全量カプセルに内包することができた.