矩形水槽中の液面に展開した不溶性液体の薄膜に可動仕切により水平方向の振動を与えることによって生じるニュートン流体の薄膜と液体の流動を数値解析し, 液面上のトレーサー粒子の運動を求めることによって, 薄膜の振動に対する振幅と位相遅れに及ぼす面積粘性係数や膜弾性率の影響を調べた. また得られた解析結果を既往の研究 (Maru and Wasan, 1979b) で提案された線形振動理論に基づく解析解と比較検討したところ, Maruらの提案した単純な線形振動理論では薄膜の流動は表せず, 振動法による面積粘性係数を決定するためにはより厳密な解析が必要であることが判った. さらに水面上に展開したヒマシ油の薄膜の振動実験を行い, その結果を本理論に基づいて解析したところ, ヒマシ油の面積粘性はニュートン粘性で表せることが判明した.