2000 年 26 巻 1 号 p. 62-67
複合化装置として期待される高速楕円ローター型混合機による粒子表面への微粒子複合化操作を取り上げ, 微粒子径が複合化に及ぼす影響を検討した. 核粒子としてはガラスビーズを, 微粒子としては粒子径の異なる三種類の二酸化チタンをそれぞれ用い, 楕円ローター回転数と処理時間を変えて複合化実験を行った. その結果, いずれの微粒子径においても, ローター回転数が高く処理時間が長いほど, 核粒子表面への微粒子付着率は増加した. しかし, あるローター回転数以上では, 一度増加した微粒子層の核粒子表面からの剥離が生じた. 特に, この剥離を生じる回転数は, 微粒子径の小さい方が高くなった. またこの回転数以下では, 微粒子径が小さいほど, 複合化の進行は早いことが分かった. 以上の傾向は, 粉体層の力学的特性の観点から, 定性的に説明できた.