2000 年 26 巻 1 号 p. 76-80
導管壁面を反射する分子数収束と導管入口面に入射する分子数流束の比は分子数密度の比に等しいと仮定して, 下流端がオリフィスで絞られた円管内自由分子流動における管壁面上分子数密度分布の解析を自由分子流動と放射伝熱とのアナロジおよびモンテカルロ法に基づいて行った. 両解析手法によって得られた分子数密度分布は良好な一致を示し, 以下の知見が得られた. (1) 分子数密度は, 円管部の断面積とオリフィス開口面積比βの増大に伴って増大する, (2) 円管部の管長と管半径比L/R 1でβ 2の導管内の分子数密度分布は最小値を持つ, (3) 最小値の現れる位置はL/Rの増大に伴って下流側に移行する.