化学工学論文集
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蒸留塔製品組成制御を目的とした組成推定モデルの選択
加納 学Natthaphon Showchaiya長谷部 伸治橋本 伊織
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2000 年 26 巻 1 号 p. 94-99

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抄録

オンライン測定が困難な製品品質を制御するために有効な手法として, 品質の推定値を制御量とする推定制御がある. 推定制御系の性能は使用する推定モデルに依存するため, 適切な推定モデルを選択することが極めて重要である. 本研究では, 多成分連続蒸留塔を対象として, 定常状態モデル, 静的モデル, 動的モデルに基づく製品組成推定制御の制御性能を比較した. シミュレーションの結果, 動的モデルを利用することによって最も高い推定精度を実現できるが, 動的モデルに基づく組成推定制御の制御性能は静的モデルと比較して必ずしも良くないことを示した. さらに, 組成推定モデルの入力変数として組成を推定する時刻の操作量を用いるべきではないという結論を得た.

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