2000 年 26 巻 1 号 p. 100-104
ラスキンノズルで発生させたシリカ粒子は, DOP (Dioctyl phthalate) に代わるエアフィルタの性能試験の代替粒子として注目されている. しかし, シリカ粒子懸濁液からのラスキンノズルによる粒子発生特性は十分に解明されていない. そこで本研究では, まずラスキンノズルを用いてシリカ粒子の発生濃度, 粒度分布, 帯電量を測定し, シリカ粒子の発生特性を把握した. さらに, LPC (Laser particle countor) のシリカ粒子に対する光散乱特性を, 電気移動度で分級した粒子を用いて調べた. その結果, LPCがシリカ粒子をDOP粒子に比べて0.6倍程度の小さい粒子として認識するため, エアフィルタの粒子透過率が大きく異なることがわかった. そのため, シリカ粒子をDOPの代替粒子として使用する場合には, 光散乱特性と帯電の影響を考慮する必要がある.