化学工学論文集
Online ISSN : 1349-9203
Print ISSN : 0386-216X
ISSN-L : 0386-216X
高速気流による凝集微粉体の分散現象
山本 英夫菅沼 彰国井 大蔵
著者情報
ジャーナル フリー

1977 年 3 巻 1 号 p. 12-18

詳細
抄録

小型流動層から発塵した浮遊粉塵の粒度分布と, その粉塵が細管による高速気流によって分散された場合の粒度分布をカスケード・インパクターで測定した.使用した細管の径は1.5~5.0mmφで, 気流の速度は5~60m/secである.
流動層から発塵する浮遊粉塵はたいていの場合凝集しており, その凝集粒子の粒子径は通常, 1次粒子に比べてかなり大きい.凝集粒子の粒度分布は30~80%の範囲の空気湿度の変化に対して大幅に変動する.この程度の湿度の変化は調湿装置をもたない実験室では珍しいことではない.
高速気流中に存在する凝集粒子は気流によって分散され, 4~5mm程度のきわめて短い飛散の後に平衡粒子径に達する.凝集粉体の50%粒子径Dp50と縮流部における気流の散逸エネルギーεの間には次式のような関係が認められた.
Dp50=15ε-0.2
この場合, 凝集粒子はεが4.7×105g/cm2・sec程度の気流の場において, 1次粒子にまで分散されうることが期待される.

著者関連情報
© (社)化学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top