1979 年 5 巻 6 号 p. 553-558
高分子溶融体の不安定流動 (これは時々はメルトフラクチャーと呼ばれる) の開始がノズル構造の観点から研究された. ノズル構造は長さ, 流入角および流入部における曲率半径が変えられた.ポリエチレン2種類とポリプロピレン1種類が使われた.
ポリエチレンの流動曲線は不連続であったが, ポリプロピレンのそれは連続であった. 三つのタイプの不安定流動, すなわち, 表面フラクチャー, すべりフラクチャーおよび内部フラクチャーが観測された.二つのポリエチレンおよびポリプロピレンはおのおの, すべりフラクチャーのみ, 表面フラクチャーおよびすべりフラクチャー, そして表面フラクチャーおよび内部フラクチャーを示した.
ポリエチレンの不連続性は消滅しないけれども, テーパー付きノズルはすべりフラクチャーによる押し出し物の変形をより小さくした. そして, 四分円ノズルのように湾曲したノズルはすべりフラクチャーや内部フラクチャーによる変形をほとんど押さえた.他方, 表面フラクチャーは, 湾曲ノズルを通すとより低せん断速度で発生した.