1981 年 7 巻 6 号 p. 581-587
待ち時間分布 (WTD) を数10日の長期間にわたって測定した.また, 連続分布モデル, すなわち各サンプルにランダムに分布した活性点により不均質的にしかもランダムに核発生が起こるとしたモデルを提案した.このモデルでは, 活性点の活性強度分布が連続的な関数 (ガンマ関数) で表現されている.実測のWTDを本モデルで解析した結果, 次のことが明らかになった. (1) 実測のWTDはモデルによりかなりよく表現できる. (2) WTDは比較的活性の強い少数の活性点により決まり, 活性の弱い (おそらく数多くの) 活性点にはまったく関係しない. (3) WTDの測定を長く続ければ続けるほどより活性の弱い活性点による核発生も実現するようになる.すなわちより活性の弱い活性点まで検出できるようになる。検出可能な最小活性強度k0c [s-1] と測定継続時間θm [s] の関係は, k0cθm≈10-1で与えられる.