1983 年 9 巻 2 号 p. 159-165
尿素法により, 含水酸化チタンおよびアルミナゾル添加のゲル型含水酸化チタンを調製し, 物性ならびに海水ウランの吸着容量を測定した. その結果, 調製時の母液のpH値が8付近の試料が最も優れた吸着容量を示すことがわかった.
これらの吸着剤を用いて, 攪拌槽およびshallow bed法によって, 海水ウランの回分吸着を行い, 吸着速度データと数値計算による理論曲線との比較により, 炭酸ウラニルイオンの液相濃度基準の粒内拡散係数として, 0.7~1.4×10-10mm2/sという値が得られた. これらの値が, 吸着剤粒子のマクロ孔内細孔拡散係数として妥当であることから, 吸着における拡散機構はマクロ孔内細孔拡散が支配的であると推論した.