抄録
能登の製塩は加賀藩が行った事業の一つで, 藩の重要な財源でもあった。それは揚浜式とよばれる古い方法であったが, 昭和にいたるまで生きながらえた。しかし現在その方法を受け継いでいる家は一軒にすぎない。加賀藩の漆器の産地として山中, 金沢, 輪島, 高岡をあげることができる。そのなかで金沢の藩主前田家により保護された上流階級向けの金沢漆器に対して, 輪島は庶民向けの堅牢な漆器の製作に成功し, 輪島塗として知られるようになった。三味薬とも呼ばれる加賀藩の秘薬と反魂丹で代表される富山藩の売薬は, 庶民の治療薬として広く使われた。