第6世代コンピューターと名付けられた将来の計算機プロセッサーには, 超高密度, 並列演算, 学習機能(ニューラルコンピューター)など, 現在のプロセッサーの概念とは次元を異にする目標が掲げられている。我々化学者はこれまで, 物質の要素である分子を様々な角度から詳細に調べてきたのであるが, とくに生体系にみられるような分子組織体は, この問題に応え得るものであるという認識をもっている。ここでは生体系に学んでひとつのモデルをつくり, それが目標の分子素子にどのようにして近づき得るか, その分子素子が現行デバイスとどのように異なるか述べてみたい。
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