2001 年 49 巻 5 号 p. 253-255
化学教育の授業や学習の問題点の一つは, 演繹的に原理や概念をまず教え, それを使いこなすことによって理解させることにあった。その結果, 内容の詰め込みによる消化不良などが起こっていた。二つめの問題点は, 学習者に学習による変容を意識化させてこなかったため, 学習者がその意味を感得できにくかったことである。それらを克服するために, 学習の意味を感得できる演繹的及び帰納的方法を融合した授業や学習, 学習による変容を自覚できる評価の具体的方法を提言する。