2001 年 49 巻 5 号 p. 262-264
戦後の日本の学校教育は, 「学習指導要領」と科学教育現代化運動によって特徴付けられる。そのうちの学習指導要領は, 教科指導実践の内容的・方法的指針としての役割を果たすべく昭和22年に作成され, その後今日までに6回の改訂がなされ, 教科の授業時数だけでなく, 指導内容やその取り扱いも改訂されてきた。戦後の生活単元理科から系統的学習, 探究学習, 自然と人間とのかかわりの重視, 個性尊重の学習, 体験重視の学習へと変遷を重ねた理科教育の概要と, 指導内容やその取り扱いの変遷を, 中学校理科の化学領域に絞って概説した。