化学と教育
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ゼロエミッションのための物質変換技術の開発 : バイオマスリファイナリーをめざして(ゼロエミッションをめざす化学 2)
迫田 章義
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2002 年 50 巻 7 号 p. 518-521

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抄録

現在の社会はエネルギーのみならず物質をも石油資源に大きく依存しており, 石油の消費量の約10%がプラスチックや合成繊維などの石油化学製品となって生活環境の中に氾濫し, これらは基本的に使い捨てであることからゼロエミッションの実現を困難にしている。このような石油を基盤とする現状は持続可能でないばかりか, 利便性, 経済性, 快適性などの代償に, 多くの地域・地球環境に係る問題を抱えている。これらの環境問題を根本的に解決し真に持続可能なゼロエミッション社会を創生するためには, 物質資源を再生可能資源であるバイオマス(植物などの生物体)に転換するしか選択肢はない。ここでは, 次世代かつ究極のゼロエミッションとも言えるバイオマスリファイナリーと, そのための技術開発について述べる。

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© 2002 公益社団法人 日本化学会
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