化学と教育
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ヘッドライン 芳香環が織りなす化学  — 反応・構造の基礎から機能性π共役分子の開発まで —
平面分子の化学:芳香族分子
岡野 孝
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2017 年 65 巻 11 号 p. 548-551

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抄録

ファラデーが発見し,ケクレが近代有機化学の出発点となる構造式を生み出した,ベンゼンを含む芳香族化合物は,他の不飽和有機化合物とは化学的性質が大きく異なり,特異的に安定であった。ヒュッケルにより量子力学に基づいて,その安定性の原因が芳香族性として,解き明かされた。芳香族性の概念はベンゼン構造と離れて,非ベンゼン系芳香族や芳香族複素環化合物に拡張されている。

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© 2017 公益社団法人 日本化学会
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