2017 年 65 巻 9 号 p. 456-459
我々の周辺には普段から光が満ちあふれている。太陽光や星明かりなどの自然光以外にも,白熱電球や蛍光灯,最近ではLEDなどからの光があり,これらがなければ現在のような生活は営めないだろう。自然光や身の周りの人工光源からの光は基本的にインコヒーレントな光であり,波長も位相もばらばらで,あまり遠くまでは届かない。一方,我々が手に入れたレーザーという新しい光源は,コヒーレントな光を発生し,その光は単色性・指向性に優れ,高輝度で,はるか遠くまで届く。これらの光はどのように生み出されるのだろうか? 本稿では,これらの物理発光デバイスの原理と利用について概略的に述べる。