2018 年 66 巻 7 号 p. 346-349
太陽の光を直接電気に変換できる太陽電池は近年急速に普及しているが,ほとんどはシリコン(Si)を原料にしており,作製に1500度以上の高温が必要であった。太陽電池を作るためのエネルギーを回収できる年限(エネルギーペイバックタイム:EPT)は,シリコン系太陽電池は1~2.5年程度とされているが,低温で作製できる塗布型の太陽電池は1年以内といわれている。これまで低温で作製する太陽電池は半導体特性が結晶性シリコンほど良くなく,太陽光変換効率は結晶性シリコンの半分程度であった。最近,低温塗布で作製しても結晶性シリコンに迫る効率を有するペロブスカイト型太陽電池が発明され,世界中で多くの研究者が基礎研究,応用研究,実用化研究に取り組んでいる。本講座では,ペロブスカイト太陽電池の基礎,仕組み,研究動向について解説する。