化学と教育
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講座:先生のための『発展』
液体のビー玉をつくる
—微粒子による流体のカプセル化—
村上 良
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2018 年 66 巻 8 号 p. 398-401

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抄録

エマルションや泡などの流体から成る分散系を安定化するために,界面活性な分子(界面活性剤)が一般に用いられる。一方,ナノ・マイクロメートルサイズの微粒子も界面活性剤と同様に空気/水表面や油/水界面などの流体界面に吸着し,エマルションや泡の安定化剤として働くことが知られている。微粒子による安定化における重要な因子は,微粒子の流体界面に対する濡れ性(接触角)である。撥液性を有する微粒子を用いた場合,液滴が空気中に分散された系(liquid-in-air分散系)を安定化することが可能である。この分散系の代表例として,ドライリキッドやリキッドマーブル(液体ビー玉)が挙げられる。ドライリキッドは多量の液体をマイクロメートルサイズの液滴として含む粉体として振る舞う物質であり,リキッドマーブルは非付着性のミリメートルサイズの液滴であり,どちらも比較的容易に作製できる。このような特異な性質を触って実感できる点でも面白い物質である。

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