2019 年 67 巻 2 号 p. 58-61
創薬研究の初期段階において未知の活性化合物を探索することを目的として,仮想構造を提案する構造生成器が提案されている。化学空間上では,類似した構造は近接した位置に存在し,また多くの場合で類似した活性を示す。そのため既存の高活性化合物の周辺領域に適切な分布をもつ構造群を生成することで,高活性で一定の多様性をもつ新規構造群が得られると考えられる。このことを可視化された化学空間上で操作することは化学者の発想を刺激する。創薬研究における化学空間の可視化および化学空間の探索は近年注目されているトピックである。事例を紹介しながら解説する。