2020 年 68 巻 9 号 p. 360-363
粘土鉱物は火成岩などの風化により生成した二次鉱物として,生命が誕生した時期(約35億年前)にはすでに地殻表面に広く存在していたと考えられている。そのため,生命誕生の過程で粘土鉱物が何らかの役割を果たしたのではないかという仮説が今までいくつか提唱されている。本稿ではその中から,粘土鉱物が関係した遺伝子乗っ取り説を紹介する。また,生体を特徴付ける重要な因子である分子キラリティに着目し,今まで筆者らが行ってきた粘土鉱物表面でのキラル認識についても紹介した。