化学と教育
Online ISSN : 2424-1830
Print ISSN : 0386-2151
ISSN-L : 0386-2151
ヘッドライン 生命に挑む化学
化学合成したペプチドからウイルスのようなナノカプセルを創る
松浦 和則
著者情報
解説誌・一般情報誌 フリー

2022 年 70 巻 12 号 p. 582-585

詳細
抄録

近年,天然ウイルスのタンパク質の殻(キャプシド)を模倣して,ナノカプセルを人工的に構築する研究が注目されている。筆者らは,トマトブッシースタントウイルスの内部骨格の形成に関与するβ-Annulusペプチドを化学合成し,50 nm程度の人工ウイルスキャプシドを構築することに成功した。この人工ウイルスキャプシドの内部には核酸やタンパク質を内包することができ,外部表面にタンパク質や脂質二分子膜(エンベロープ)を修飾した機能性ナノカプセルの創製にも成功した。

著者関連情報
© 2022 公益社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top