2022 年 70 巻 5 号 p. 228-233
世界を襲った新型コロナウイルス感染症によるパンデミックは,人々の生活を一変させ,学校教育に与えたダメージも計り知れない。この間,小・中・高等学校,大学,研究機関は,極めて厳しい対応と状況が続いた。そして,2020~2021年度の学校現場は対応に追われる二年間となった。一斉休校の要請から始まり,密を避けなければならないとの理由から,経験したこともない新しいことと日々格闘してきた。現在は,小・中・高等学校ではほぼ全面的に対面授業が行われており,大学でも対面授業が増えてきている。この先は新型コロナウイルスと共生しながら,教育活動や研究活動を行っていくことになると思われる。この間,確実に進んだのは,「学校のオンライン化」である。特にコロナ禍での様々な工夫や取組を共有し,今後に生かしていくことは大変重要である。「学校のオンライン化」の加速は,今後の学校教育を大きく飛躍させる可能性があるとともに,一方で本質を見極め,現状の課題に正対してその解決を目指す取組が進まなければ,我が国の培ってきた学校教育を停滞させかねない。いわばもろ刃の剣なのである。これを機に学校の在り方を根本から見直し,学校や授業での課題に向き合い,急速に進む国の「学校のオンライン化」を取り巻く教育政策動向を見据えながら,コロナ禍を越えて,求められる学校教育や授業の在り方について検討する。