2022 年 70 巻 8 号 p. 400-403
地球環境には数百万種といわれる肉眼で観察することができない生物が1030オーダーの細胞数で存在する。我々の社会と同様に,様々な環境で雑多な微生物が相互作用しながら炭素・窒素をはじめとする元素循環に関わっている。このような微生物の潜在能力を最大に引き出すノウハウを集約しているのが水処理技術である。本講座では微生物のライフサイクル(生活環)とエネルギー獲得手段を紹介する。さらに,微生物の機能を利用する水処理技術の基本操作を,活性汚泥法と生物学的窒素除去を例として説明する。