2025 年 73 巻 7 号 p. 260-263
今日,多数の生成AIツールが利用できる環境にある中,教育現場においても様々な活用のメリットを指摘する声がある一方,学習者がAIの回答を鵜呑みにするのではないか等の懸念も指摘されていることから,文部科学省は初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドラインを示した。そこで,文部科学省のガイドラインを踏まえ,藤本・益田・藤枝は,高等学校1校と中学校2校の合計3校で管理職および管轄の教育委員会の承諾を得た上でパイロット的に生成AIの教育利用に関する実践研究を行った。本校を含むこれらの実証校では,理科の授業の初めに情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方と態度いわゆる情報モラル教育をCompallet社の「みんなの情報モラル」の教材を用いて実施した。その後,中学校第3学年 化学変化とイオン「化学変化と電池」の単元で,科学的な探究の過程の考察を検討・改善する学習活動において,藤本・山村が提案した生成AIをグループの一員と位置付けた協働的な学びの指導法により,生成AIを活用した教育効果の検証を行った。検証の結果,探究の過程の中で生成AIを用いて考察の検討・改善を行うことで,より批判的に自らの学習や考えを検討・改善する上では有効であると考える。