日本東洋医学雑誌
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臨床報告
女性腹圧性尿失禁に対する補中益気湯の有用性に関する検討
井上 雅横山 光彦石井 亜矢乃渡辺 豊彦大和 豊子公文 裕巳
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2010 年 61 巻 6 号 p. 853-855

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抄録

女性腹圧性尿失禁患者に対して補中益気湯を4週間投与し,その臨床的有用性を検討した。女性腹圧性尿失禁患者13名に対し,食前に1日3回補中益気湯7.5gを4週間投与した。治療前,治療1カ月後に,VAS(visual analog scale),IQOL(Incontinence-QOL)による自覚症状の変化を観察し,また排尿日誌を用いて排尿回数,尿失禁回数の変化,パッドテストによる失禁量の変化,尿流測定による他覚的な排尿状態の変化の確認を行った。また投与終了時の患者の満足度も検討した。結果は有意差は認めなかったが,VAS,IQOLスコア,いずれも改善傾向であった。パッドテスト,失禁回数は減少傾向であった。排尿回数,最大尿流量は変化なく,患者満足度は高かった。BMI別で検討すると非肥満型では有意にVAS, IQOLの改善を認めた。補中益気湯は排尿状態に影響を及ぼさず,尿失禁の程度,証などを考慮すれば有効であることが示唆された。副作用として重篤なものは認めなかった。

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© 2010 一般社団法人 日本東洋医学会
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