日本東洋医学雑誌
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臨床報告
痰飲が関与したと思われた不眠を伴う下肢痛に竹茹温胆湯が奏効した2症例
宮西 圭太平田 道彦織部 和宏
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2019 年 70 巻 2 号 p. 124-129

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抄録

瘀血や気の障害が痛みに関連することはよく知られているが,痰飲が関与した痛みの報告は少ない。下肢痛に対して痰飲の関与を考慮し竹茹温胆湯が奏効した2症例を報告する。症例1は63歳女性。誘因なく右下腿の重だるい痛み・しびれを生じ,疎経活血湯を2週間投与するも改善しなかった。症例2は42歳女性。交通事故で受傷し,3 ヵ月後も右殿部から大腿部の痛みが遷延した。痛みが少陽胆経に沿った痛みであること,不眠傾向,舌上の膩苔から痰飲の関与を考慮して竹茹温胆湯を投与したところ,2症例とも1週間以内に下肢痛は緩和した。痰飲が胸部に停留すると前胸部不快感や胃痛などの脾胃不調和の症候を呈するが,痰飲の痛みは水が身体に留まることで重だるい痛みとなり,夜の安眠を妨げやすい。痛みの治療では痰飲の存在も鑑別に入れることが重要である。

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© 2019 一般社団法人 日本東洋医学会
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