日本東洋医学雑誌
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総説
国際疾病分類第11改訂第26章伝統医学分類がリリースされた。これまでと,これから
~日本東洋医学会用語及び病名分類委員会活動報告~
矢久保 修嗣並木 隆雄伊藤 美千穂星野 卓之奥見 裕邦天野 陽介津田 篤太郎東郷 俊宏山口 孝二郎和辻 直
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2019 年 70 巻 2 号 p. 167-174

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抄録

国際疾病分類(ICD)は疾病,傷害及び死因の統計を国際比較するため世界保健機関(WHO)から勧告される統計分類である。この国際疾病分類第11改訂(ICD-11)のimplementation version が2018年6月18日に全世界に向けてリリースされた。これに伝統医学分類が新たに加えられた。ICD の概要を示すとともにICD-11の改訂の過程やICD-11伝統医学分類の課題をまとめる。ICD-11は2019年5月の世界保健総会で採択される。我が国がICD-11を導入し,実際の発効までには,翻訳作業や周知期間なども必要であるためまだ猶予が必要となるが,国内で漢方医学の診断用語も分類のひとつとして使用できることが期待される。このICD-11伝統医学分類を活用することにより,漢方医学を含む伝統医学の有用性などが示されることも期待され,ICD に伝統医学が加わる意義は大きいものと考えられる。

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© 2019 一般社団法人 日本東洋医学会
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