日本東洋医学雑誌
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オオヒ冲剤が奏効した慢性関節リウマチの一例
松多 邦雄顧 旭平
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1994 年 44 巻 4 号 p. 589-592

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抄録

中国の新しいリウマチ治療中成薬―オオヒ冲剤が奏効した慢性関節リウマチ (RA) の1例を報告する。症例は53歳の男性, 平成1年から発症し, いろいろな抗リウマチ剤に反応せず, 活動性の高度な状態が続いた。ステロイド, 免疫抑制剤, 非ステロイド性消炎鎮痛剤, 加工附子などで治療していたが十分な効果が得られず, オオヒ冲剤を加えたところ, RAの活動性が顕著に低下し, これに伴って貧血も徐々に改善した。また食欲が増進し, 全身的な健康状態も改善し, 日常勤務ができるようになった。日本にはRAの漢方治療剤としては麻黄剤や附子剤が広く用いられその効果が報告されているが, 新しい中国のリウマチ治療中成薬―オオヒ冲剤の日本での治験は報告されていない。この報告は日本で初めて, 抗リウマチ剤としてのオオヒ冲剤の有効性を示すものである。

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