1999 年 49 巻 5 号 p. 805-815
AA関節炎ラットにステロイド剤 (DXM) を投与すると, 局所の炎症は明らかに抑制されるが, 胸腺, 副腎の萎縮, 脾臓の肥大, 血清DAP IV活性の低下が認められる。疎経活血湯, 〓苡仁湯ではデキサメサゾンのような顕著な抗炎症効果は認められなかったが, 胸腺, 副腎の萎縮, 脾臓の肥大, 血清DAP IV活性の低下は認められなかった。また, 薬物投与中止後, ステロイド剤のような関節局部におけるリバウント現象が起こらず, 局部腫脹の軽減作用が持続した。従って, 両方剤は, AAラットの抗炎症作用と共に, 免疫系に対する作用が認められ, ステロイド剤 (DXM) とは作用機序が異なることが確認された。